カテゴリー「 童話 」の記事

38件の投稿

  四、桜ひろばのひみつ      しばらくして、山本君が、いとこだという中学生を連れてやってきた。 紗枝はじっと様子を伺った。 あっという間に、今までにない空気に変わったと感じたのだ。 目つきがきつい。というより落ち着 …
 三、あいつ たったこの前、商店街の桜ひろばで今年のお花見大会を盛大に終えたばかりなのに、ゴールデンウィークの売出しが終わった頃、いやなうわさが広がり始めた。 大山ストアーのおじさんが、胃潰瘍で入院した。 洋平と紗枝は気 …
  二、桜ひろばの三人 読書家の紗枝は、近頃は、冒険ファンタジー小説か、ミステリーを読みあさっている。 コロッケ屋「キッチン」の娘。 店の正式名称は「鳥越精肉店(とりごえせいにくてん)」だから、鳥越紗枝。 昔からこの町に …
   桜ひろばのひみつ 一、のろわれた桜ひろば「ねえ、聞いた聞いた?」 杉太(さんた)があわてた様子で、六年三組の教室に駆けこんできた。 サッカーボールに空気を入れるために職員室の後ろの出口を使ってる杉太は、先生たちのう …
     十 ミキオは、目覚めたとき、病院のベットに横たわっていた。 枕元に視線を落とすと、母親がひざまずいて祈っているようだった。 泣きはらした真っ赤な目は、母親としての、柔らかい慈愛に満ちた心を取り戻してい …
  九 フーワの案内でミキオと共に、元の家があったところへ、行ってみた。 庭は、夏草がのび放題の野原になっていた。 無人の廃屋がかろうじて残されていた。 ほんの少しの間と思っていたのに、時はずいぶん流れたという証が、あち …
  八 ユキタは、夢か現実か一瞬迷ってしまった。 あの滝から飛び込んだ時の、ヒスイの滝つぼに潜っていた。 身体の感覚は、あの時のままを覚えていて、ちゃんと飛び込めた。 抜けめなくヒスイのかけらを拾って、岸へ泳ぎ着いた。  …
七「桜ヶ丘の飛び込み台のプールを借りて、ミキオと度胸試しをするから、ソウスケのこの前の作戦で、おびき出してくれる?」 ユキタは、フーワからの大丈夫の報告を受けていた。  タロウが驚いたような表情で聞き返した。「そんなこと …
六 ユキタたちの中学校の東側に、小さい川をへだてて、帝国大学付属桜ヶ丘高等学校という有名私立校がある。 ユキタの通う山留中の二階奥、第二音楽室から、桜ヶ丘高校の二つのプールが見える。 一つは五十メートルの競泳用プール。  …
   五 ユキタは、ミキオのことが気がかりだった。 ソウスケは止めてやれるのに、どうしてミキオには、声もかけなくなってしまったのか。 夏の満月が、まだ明るく照らす太陽と向き合うようにだるそうな橙色で、東の空低いところです …
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