カテゴリー「 作品発表 」の記事

51件の投稿

二、じけん 四年生になったころから、チエは学校でつまらないことで、クラスのともだちとよくけんかをした。 あるとき「炎(ほのお)の翼(つばさ)」というすごくおもしろいマンガについて、学校でもみんながうわさばなしをするように …
          一、ごめんねといえなくて いつもなら、チエのすむアパートをでると、いそいで本屋さんのかどをまがる。 なのにその日、チエはすこしゆっくりあるいていた。 少年マンガや少女マンガが、店さきにならんでいるのを …
  十 鬼の正体 鬼が心に宿るのは、人の世の常。 いかにおだやかに暮らそうとも、生きている間に、欲のかたまりとなってしまうのも、人間の姿。 不動産屋は、「桜ひろばにマンションを建てたい」という男に出会ってしまった。 商売 …
九、ミステリーの糸 鳥越家では、紗枝が泣いて帰ってくるという前代未聞の一大事件が起きた。 おまけに、男の子が、息せき切って、追いかけてきたのだから、母親は目を丸くしたまま、コロッケを上げる手を止めた。 紗枝を追って部屋へ …
八、紗枝の後ろに 紗枝と杉太は、走りよって桜のポイントを、足でけってみた。 「ちょっと、土まで私にかけないでくれる」「そっちだって、仕返ししたじゃないか。おあいこだぞ」 半分ふざけて、半分けんかごしでじゃれあっている。  …
七、悲しみの根っこ 切り株が残されたが、あまりにも複雑にからみ合い、土の下の根は簡単には取り除けなかったのでそのままにされたらしい。   戦争中もあのひろばは空襲を受けずに、無事だったそうだ。子どもたちを遊ばせてくれるひ …
 六、眠れない夜 昔、あのひろばには、一本の桜の木が立っていたらしい。 隣の社宅が建つ前から、桜とケヤキの森はあったわけで……。 ケヤキはどれもりっぱで、室町時代からの長老。 桜は江戸中期に民衆の数すくない、いこいの場所 …
五、桜ひろばの悲しみ アンが、足を踏ん張ったのは、だれもがころばされるシュートポイントだ。 クンクンにおいをかいで、気になる様子がわかる。「この下に、何かうまってるのかな」 紗枝が、洋平と杉太の顔をうかがった。 一緒に遊 …
  四、桜ひろばのひみつ      しばらくして、山本君が、いとこだという中学生を連れてやってきた。 紗枝はじっと様子を伺った。 あっという間に、今までにない空気に変わったと感じたのだ。 目つきがきつい。というより落ち着 …
 三、あいつ たったこの前、商店街の桜ひろばで今年のお花見大会を盛大に終えたばかりなのに、ゴールデンウィークの売出しが終わった頃、いやなうわさが広がり始めた。 大山ストアーのおじさんが、胃潰瘍で入院した。 洋平と紗枝は気 …
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